プロレタリア文学はものすごい

安谷屋 邦尚

2009年01月13日 00:46

プロレタリア文学はものすごい 荒俣博 平凡社新書
 この本では労働者兼作家という立場から必ず資本家階級について言及するような本を書かなければならない作家達の著書を、この本の著者が独自の視点でプロレタリア文学の面白さを発見する。たとえば小林多喜二の蟹工船には労働者が監督に酷使され、疲れ果てていく様子を生生しく描いているところから、「プロレタリア文学の名を借りたホラー小説」だとしている。
 私はこれまでプロレタリア文学と呼ばれるものにお堅いイメージを抱いていたのだが、この本を読んで、プロレタリア文学の持つ「お堅い」一面以外の面を見ることができ、イメージが変わった。また、著者である荒俣さんの知識の深さに驚いた。

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